シトルリンとは、遊離アミノ酸のひとつで、ウリ科の植物に多く含まれており、食品から摂取できます。
アミノ酸の状態で生体内に存在しており、特にアンモニアから尿素を生成する回路で、重要な役割を果たしています。
シトルリンには血管拡張作用があり、運動パフォーマンスを向上させたり、血流をよくしたりする効果があります。
その他にも疲労の軽減によい、抗酸化作用がある、などと言われていますが、どのようなメカニズムで効果が発揮されるのでしょうか。
運動を行うとき、代謝の促進や疲労回復のためにアミノ酸やビタミンなどのサプリメントを利用されている人も多いと思います。シトルリンは、生体内のオルニチン回路のなかで重要な役割をしています。
体内のシトルリンが増加すると、アルギニンが増え、その結果、体内の一酸化窒素の濃度が上昇します。
この一酸化窒素には血管拡張作用があるため、血流量が増加して運動のパフォーマンスを向上させます。また、運動によって生じる乳酸やアンモニアなどの副産物を素早く除去してエネルギーの生成を促進する働きもあります。
この反応に伴い、成長ホルモンの分泌促進や、筋肉を構成するタンパク質の分解抑制や合成促進などが起こります。
アルギニンを直接摂取すればよいのでは?と思うかもしれませんが、アルギニンを直接摂取するよりも、シトルリンをサプリメントで摂取したほうがより効果的に体内のアルギニンを増やすことが期待されています。
シトルリンは、肌の潤いを保つ天然保湿因子(NMF)のひとつであり、遊離アミノ酸としてはセリンの次に多く含まれています。
NMFは私たちがもともと持っている保湿成分のことで、肌のツヤやハリを維持するために重要です。
シトルリンを十分に摂取することは、NMFを保持するだけではなく、血流改善効果によって新陳代謝を活発にするので、肌のターンオーバーも促進することができます。また、抗酸化作用もあるため、肌を酸化ストレスから守ってくれるので、積極的に摂取していきたいものです。
シトルリンは、運動をする人だけでなく冷えやむくみが気になる女性や、いつまでも若々しい肌を保ちたいという人にもおすすめの成分です。
食品に含まれる量は多くないので、毎日効率よく摂取するためにはサプリメントを上手に利用するとよいでしょう。