【栄養素の働きや理想のPFCバランスを解説】
2024/06/28

【栄養素の働きや理想のPFCバランスを解説】

食事や栄養、ダイエットに関する情報があふれる今、科学的根拠のある正しい情報や自分にとって必要な情報を見極めるのは簡単ではありません。誤った情報に惑わされないために、健康を維持する食生活の基本は「バランスのとれた食事」であることをあらためて確認しておきましょう。

PFCバランスとは、人間が生きていくために必要なエネルギーを作る栄養素「Protein(たんぱく質)」「Fat(脂質)」「Carbohydrate(炭水化物)」の頭文字を取った言葉で、それぞれの栄養素からのエネルギー摂取比率のことです。

タンパク質の働き

たんぱく質はエネルギー産生栄養素のひとつで、動物や生物の体を構成する筋肉、臓器、皮膚、毛髪などの成分を作る働きを担っています。また、ホルモン、酵素、抗体といった体の調整機能を持つ成分を作るのもたんぱく質の重要な役割です。

たんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されていますが、このうち「必須アミノ酸」と呼ばれるものは体内で合成することができません。しかし、アミノ酸が1つでも欠けるとたんぱく質が合成されないため、食事からしっかり補う必要があります。
プロテインドリンクやプロテインバーなどはたんぱく質を効率的に摂取できますが、たんぱく質をとりすぎると腎臓に負担がかかるため、量に注意して利用してください。

脂質の働き

脂質は、体内で水分の次に多い成分です。体内でエネルギー源になるほか、皮下脂肪になって寒さや物理的な外的刺激から体を守る働きをしています。
ただし、増えすぎた脂質は内臓脂肪となって内臓の周りに蓄積され、メタボリックシンドロームのリスクを高めるため、摂取量が多すぎても少なすぎても体に悪影響を与えることに注意が必要です。

炭水化物の働き

炭水化物は、人が消化吸収できる「糖質」と、消化できない「食物繊維」に分類されます。糖質は消化されてブドウ糖となり、筋肉や脳の働きを助けるエネルギー源として機能します。そのため、極端に糖質を避けるダイエットはおすすめできません。
食物繊維には整腸作用や、余分な脂質・ナトリウムの排出を助ける働きがあります。

理想的な PFCバランス??

たんぱく質・脂質・炭水化物は、すべて体に必要な栄養である一方、とりすぎると体に悪影響を与える可能性があります。では、それぞれの栄養素をどれくらいとると、理想的なPFCバランスになるのでしょうか。

「日本人の食事摂取基準」では、生活習慣病の発病予防や重症化予防の指標として、「エネルギー産生栄養素バランス」を以下のように示しています。

エネルギー産生栄養素バランス(18~49歳の男女)

栄養素割合
たんぱく質13~20%
脂質20~30%(飽和脂肪酸は7%以下とする)
炭水化物50~65%